理事長(初代)
松尾雄志
健康の維持には定期的な健康チェックと日々の生活習慣の改善が鍵であり、「健康で長寿あるいは生涯元気で」を実現するためには、「生活習慣情報等の個人データの集積(PHHR:Personal Health History Record)」が重要です。しかし、現行の臨床検査は疾患診断に威力を発揮する検査手段であり、健康維持や不健康の改善といったPrimary Defense(一次予防)(以下、未病対策)に活用されていません。また、未病対策マーカーとしては、脂質関係の一部を除いて、実証レベルには至っていません。
これらの課題解決には多数の個人レベルでの健常状態から疾患状態へと推移する過程を追跡できる血液成分などの網羅的解析に意味があります。京都大学・齋藤ラボでは、「時系列で、適切に管理された健常者並びに特定疾患患者さんの保存血清等(バイオリソース)の健診/検診結果の情報付きデータベース構築」、即ち「BR構築Project」と、これを基盤とする「血清成分Profile解析Project」の研究が進められています。特に、生活習慣の中で、食事の影響は大きく、これに着目した因果関係も重要であるとの発想で、東京大学・佐々木ラボで開発された国際標準に準拠した食事調査(BDHQ:Brief-type self-administered Diet History Questionnaire)を開発普及させる「BDHQ 普及Project」を導入した共同研究Projectが始まりました。
これらのProjectの協調的進行には、健診/検診者の方々を中心とする提携病院の理解と協力が必須であります。即ち、新たな病態検査学、標準化された食事調査疫学、そして提携病院における健診/検診情報という三つのベクトルが合わさって初めて「健康、疾患、食などをキーワードとする健康科学のためのデータベース構築」が可能となります。
この度、社会医療法人蘇西厚生会 松波総合病院には、上記Projectの医学的並びに社会的意義の重要性を高く評価し、これに参画頂くこととなりました。これにより、一般社団法人“健康科学リソースセンター”(略称:RECHS)の設立が実現化し、 以下の事業を開始するに至りました。
(1)健康・医療情報と食事運動情報に関するデータベースの構築並びに社会的利用
(2)健康科学リソースの保存・管理・利用 (健常者と特定疾患)
(3)健康科学に関する教育・啓発並びに人材育成
以上の事業推進に必要な研究活動のための「健康科学リソース研究会」を設置する。
各位におかれましては、これら事業についてご賛同頂くと共に、ご指導ご鞭撻賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
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